2026年9月12日、ブダペスト。
アルティメット選手権、女子やり投。
北口榛花の第2投が68メートル92を出した。
従来の日本記録67メートル38を、1メートル54更新した。
世界歴代10位。その大会の初代王者になった。
着地点の絵が、先にできた。
支持脚より、半拍早かった。
右かかとは、まだ沈みきっていない。
膝裏は、まだ伸ばし終わっていない。
やりの落ちる場所だけが、先に輪郭を持った。
崩れた順番
- 視線が着地点へ固定される
- 上まぶたが止まる
- 口が胴から外れる
- 右肩が鎖骨の線を捨てる
- 腹が、骨盤の上で単独になる
支持脚は、まだ仕事の途中だった。
腕は、その途中を待たなかった。
道場で回し蹴りを外した夜も同じだった。
相手の耳の後ろを先に見てしまった。
軸足の膝裏が伸び切る前に、蹴る脚だけが空を切った。
腹は残った。肩は残らなかった。口だけが先に開いていた。
行き先を先に完成させるな。
着地点の絵が脚より先に閉じると、口も肩も腹も、胴の命令を失う。
今夜の確認
部屋の端から一歩だけ踏み出す。
見るのは支持脚の膝裏だけ。
踏み出した瞬間に着地点の絵が先にできていたら、その一歩はすでに崩れている。
膝裏が遅れているうちは、胴はまだ一つだ。
数字だけ置く
大会:WAアルティメット選手権(ハンガリー・ブダペスト)
記録:68m92(2026年9月12日・第2投)
更新幅:+1m54(前日本記録67m38/2023年)


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