黒柳徹子の耳に残る「お母さん」 板東英二さんとの温かな絆

ふと、誰かの声が耳の奥に残っている瞬間って、ありますよね。筋トレ後のシャワーを浴びながら、ふと思い出す先輩の声とか。黒柳徹子さんが板東英二さんを悼んで「今でも耳に残っています」と語ったあの言葉を聞いたとき、僕は思わず道場の空気を思い出しました。

板東英二さんが2026年7月22日、慢性心不全のため86歳で亡くなったことが28日に公表されました。元中日投手として甲子園で伝説を残し、タレントとしても『世界・ふしぎ発見!』などで長く活躍した方です。葬儀は本人の希望で家族のみで執り行われたとのこと。

その日、黒柳徹子さんがインスタグラムで追悼の言葉を寄せました。『世界・ふしぎ発見!』で長く共演した板東さんが、いつも彼女を「お母さん」と呼んでいたこと。彼女が「あなたを産んだ覚えはない」と返しながらも、その声が今も耳に残っていると。エジプトでのロケでラクダと本気で言い争いをしていた姿、インドで宝石を気前よく渡してくれた優しさ。奥様の上品な人柄まで、温かく振り返っています。


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この「お母さん」という呼び方、ただの番組内の軽い冗談ではなかったと思うんです。年齢は近くても、板東さんにとっては黒柳さんが番組の中で特別な存在だった。声のトーンや、呼びかけるときの目の動きまで含めて、親しみと敬意が混ざったものだったんじゃないでしょうか。黒柳さんが「今でも耳に残っています」と書いたとき、その声の響きが彼女の記憶の中でまだ生きているのが伝わってきます。

僕がフルコンタクト空手を続けていた頃、道場に一人、いつも「兄貴」と呼びかけてくる後輩がいました。組手で本気で殴り合った後、汗だくで「兄貴、さっきの蹴りマジで痛かったっす」と笑う。ある日、試合で彼が大敗して落ち込んでいるとき、何も言わずに肩をポンと叩いただけだったのに、後から「あのとき兄貴が何も言わなかったのが、逆に救われた」と打ち明けられたんです。言葉より、呼び方や仕草が残る。板東さんの「お母さん」も、きっとそんな質感だったんだろうなと感じます。

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『ふしぎ発見!』という長い時間を共有した二人の関係は、単なる共演者を超えていたはずです。海外ロケでのラクダとの言い争いなんて、画面越しでも笑いがこみ上げてくる場面だったでしょう。本気で動物に話しかけてしまう板東さんのユーモアは、番組を明るくするだけでなく、周囲の緊張をほぐす役割も果たしていたんじゃないか。黒柳さんが「本当に楽しく、面白い方でした」と繰り返し書いているのは、その場の空気を今も体で覚えているからこそだと思います。

インドで宝石を「じゃあ、あげる」と渡したエピソードも印象的です。気前の良さは性格だけでなく、相手を大切に思う気持ちの表れ。黒柳さんが今も大切にしているというその宝石は、物としての価値以上に、板東さんの人柄が込められたものなんでしょう。芸能界では華やかな表面が目立ちますが、こうしたさりげない優しさが、長い付き合いを支えていたんだなと改めて思います。

僕自身、ベンチプレスで限界近くまで追い込んだとき、隣で「あと1回、俺が支えるから」と声をかけてくれたトレーニング仲間がいました。数字だけの記録じゃなく、その声の響きが体に残って、次のセットで意外と力が湧いてきた経験があるんです。板東さんの「お母さん」という呼び声も、黒柳さんの中でそんな力を持っていたのかもしれません。声が残るというのは、ただの記憶じゃなく、相手の存在が今も内側で動いている証拠なんですよね。

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板東さんの人生は波瀾万丈だったと黒柳さんも触れています。それでも「自分は長嶋さんより契約金が高かったんだ!」と誇らしげに語っていた明るさ。今ごろ天国で長嶋さんと笑い合っているかも、という締めの言葉には、黒柳さん自身の優しさがにじみ出ています。亡くなった方を悼みながら、相手のユーモアを最後まで尊重する姿勢。これが長年の信頼関係から生まれるものなんでしょう。

ファンの間でも、板東さんの明るいキャラクターを懐かしむ声が自然に広がっているようです。番組で見せていた本気の表情や、ちょっとおちゃめな仕草が、改めて愛おしく感じられる。芸能界の人間関係は表に出にくい部分が多いですが、こうして共演者が本音で語るとき、裏側の機微が少しだけ見えてくる。黒柳さんが奥様の人柄まで丁寧に触れているところからも、板東さんを取り巻く温かな輪が想像できます。

声が耳に残る、というのは不思議なものです。時間を経ても消えない何かが、そこにあった証拠。板東英二さんと黒柳徹子さんの間に流れていた時間は、きっとそんな質のものだったんでしょう。あなたは、誰かのどんな声が今も耳の奥に残っていますか? あるいは、自分が誰かにかけた言葉が、相手の中で生き続けているとしたら、どんな気持ちになりますか。

このテーマに関連して、人と人とのつながりや、声や仕草が残すものを考えるとき、参考になるかもしれない一冊として『人間関係の授業』(著:斎藤茂太)があります。医学的な視点から人間の機微を優しく説いた本で、似た経験を持つ人にとって心に響くかもしれません。興味があればご自身でチェックしてみてください。

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