スーパーの野菜売り場で、ずらりと並んだ藤原竜也さんの顔がこちらをじっと見つめてくる。初めてその写真を見たとき、正直「なんだこれは…」と声が漏れたんですよね。笑いがこみ上げると同時に、なぜか胸の奥が少しざわついた。あの劇画タッチの表情、ただのインパクト狙いじゃない何かが宿ってる気がして、放っておけなくなったんです。

2026年7月21日から、首都圏や関西圏の一部スーパーで限定1万個販売されている「Cook Do」オイスターソース 藤原竜也の「買ってくレタス」。味の素とJA全農長野が共同で取り組む、夏場のレタスフードロス削減キャンペーンだ。長野県産のレタスを、藤原竜也さんの顔がプリントされた透明フィルムで包んだもの。フィルム裏面には「レタス瞬間消滅レシピ」へのQRコードも付いている。

本人は味の素パークの公式Xでこうコメントしている。「『レタスの危機だから、顔を貸してくれないか?』との依頼。『いいですよ』とお答えしたら、本当に“顔を貸す”仕事でした。なんでだよ…。売り場でお待ちしています」。スタッフ側も「見つけたら教えてください」と呼びかけ、瞬く間にSNSで拡散された。


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日テレNEWSが担当者を取材した内容が、さらに興味深い。プリントされた表情は既存の宣材写真はなく、この企画のために新たに描き下ろされたオリジナルの劇画タッチイラストなのだ。「買ってほしい…!」というレタスの切実な気持ちを真剣に訴えかけつつ、「このまま残ってしまうかもしれない」という不安や哀愁も感じられる迫力ある表現、と担当者は説明している。複数の案から、最も訴求力があり売り場で目を留めやすいものを選んだという。

ここが面白いんですよ。ただの「顔を印刷しただけ」じゃない。劇画調という選択自体が、藤原竜也という俳優の持つ“表情のキレ”を最大限に活かした結果なんだと思う。カイジやデスノートで見せてきた、あの目力とわずかに歪んだ口元。普通の写真じゃ伝わらない「切実さ」を、線の強さで増幅させている。

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この表情を見て、ふと思い出したのは、25年近く続けている筋トレの中で、特にきつかったあるセットのことだ。ベンチプレスで重量を限界まで上げたとき、バーが胸に近づくたびに「ここで落とすわけにはいかない」という切実さが全身に走る。顔は自然と引きつり、目は一点を見据え、口元はわずかに歪む。周りから見れば「劇画みたい」と言われるような顔になるんですよね。でも本人にとっては、ただの努力じゃなく、失敗したら今日の積み重ねが崩れるという、本当に切羽詰まった感覚なんだ。

空手の組手でも似た瞬間がある。相手をコーナーに追い込みすぎたとき、逆に相手の目が急に鋭くなって「ここで何としても抜く」という気配に変わる。その目を見た瞬間、こちらも一瞬で力が入る。言葉はいらない。表情だけで「切実な思い」が伝わってくる。藤原竜也さんの顔レタスも、まさにそれだと思う。レタス自身が「買ってくれないと、このまま廃棄されてしまう」と訴えかけているようで、見る側の心に直接刺さる。

SNSの反応を見ても、「シュール」「圧がすごい」「絶対買う」「フィルム捨てづらい」と、笑いながらも手に取ってしまう人が続出している。子どもが泣きそう、狂気を感じる、といった声もあるけれど、根底には「目が合ったら買わずにいられない」という共通点がある。これは単なるバズじゃなく、表情が持つ力の証明だ。

業界的に見ても、CMキャラクターとしてすでに「Cook Do」に出演していた藤原さんとのご縁を活かした選択は、計算されている。でも計算だけでは、あの劇画タッチの「哀愁」までは生まれない。担当者が「切実で迫力ある表情」をイメージした時点で、藤原竜也という人間の持つ人間ドラマの厚みを、ちゃんと理解していたんだろう。

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僕自身、道場で後輩が怪我から復帰する過程を見守ったとき、彼の目つきが変わっていくのを感じたことがある。最初は「まだ痛い」と怯えていた目が、ある日突然「もう一度やりたい」という切実さに変わった瞬間。その目を見て、こちらも自然とサポートの力が湧いてきた。表情って、言葉以上に人の本音を運ぶんだと、改めて実感した。

この顔レタスも、ただの面白い企画で終わらせるにはもったいない。夏のレタスが余って廃棄される現実と、俳優が本気で「顔を貸す」覚悟をした人間ドラマが、劇画の線の中に凝縮されている。売り場で目が合った人は、きっと笑ったあと、少しだけ真剣にそのレタスを手に取るはずだ。

あなたがもしスーパーでこの顔に出会ったら、どんな気持ちになるだろう。笑い飛ばす? それとも、切実な目に引っ張られてカゴに入れてしまう? どちらの反応も、きっと正しい。

※このテーマに関連して、表情や人間の切実さを深く考えるヒントになる本として、武道のメンタルを扱った『勝負の瞬間に強くなる 心の鍛え方』(参考までに興味があれば)が、似た感覚を思い出させてくれるかもしれません。