終末のダイヤモンドMEI急逝 生誕ライブ目前のギターが残した“最後の仕草”


2026年7月26日 ソフトマッチョ記

29日の生誕ライブを前に、あんなに明るいX投稿をしていた人が……。今朝の訃報を見た瞬間、道場で後輩が突然倒れたあの日の空気が蘇って、胸がぎゅっと締めつけられました。

ガールズロックバンド「終末のダイヤモンド」のギタリスト・MEIさん(猫月めいさん)が急逝された。家族からの正式な報告がXに上がり、バンド側もすぐに公式で哀悼の意を表明した。結成からわずか3週間あまり。デビューシングル「空気読むな!」の配信とMV公開が29日に控えていたタイミングでの出来事だった。

彼女は元薬剤師。BanG Dream!のサポートや艦これ公式ガールズバンド「1MYB」でも活躍し、SNSでは超絶ギター演奏でファンを増やしてきた。声優の鈴木杏奈さん(ANNA)が中心となって立ち上げた新バンドに、DMで誘われて参加を決めたという。パワフルなボーカルに惚れた、と本人が語っていた言葉が、今になって妙に胸に残る。

終末のダイヤモンド「空気読むな!」kuukiyomuna MEI & YURI ...

事実を整理すると、こうなる。
・7月6日にバンド始動発表、MEIさんはギタリストとして加入
・7月29日にデジタルシングル&MVリリース予定
・同日、吉祥寺CRESCENDOで自身の生誕ライブ「Moon Kitty Night」開催予定だった
・7月25日にはまだライブ撮影ルールについて詳細な投稿をしていた
・翌26日早朝、家族名義で「永眠いたしました」との訃報
・ライブとバーイベントは中止、チケット払い戻しは後日案内

死因の詳細は一切公表されていない。突然、という表現が繰り返されているだけだ。

正直、このニュースを見たとき、私は「またか」と思ってしまった。芸能や音楽の世界で若い才能が突然消えるケースを、ここ10年で何度も見てきた。でもMEIさんの場合、特別に引っかかったのは「最後の仕草」だった。

7月25日のX投稿を改めて見てほしい。ライブ中の撮影について、丁寧にルールを書き、VIP席の椅子の位置まで具体的に説明している。動画投稿は禁止だけど「いい感じに撮れたらDMでこっそり送って」と、ちょっとだけお茶目な一文を添えている。あの投稿の指先の感覚が、今でも画面越しに伝わってくる気がするんですよね。

筋トレを25年続けていて、最近気づいたことがある。ベンチプレスで限界の重量を扱うとき、最後の1回はフォームが微妙に崩れる。腕の震え方や、息の吐き方、目の焦点の合わせ方。それが「あと少しで限界」のサインになる。MEIさんの最後の投稿も、まるでそれと似ていた。これから本番を迎える緊張と期待が、細かい説明の端々ににじみ出ていた。突然の別れが、余計に残酷に感じる理由がそこにある。

ガールズバンド終末のダイヤモンド、ギターMEIさんの死去を発表 ...

ファンの反応を見ていると、衝撃のあとに静かな哀悼が続いている。「昨日も誕生日を想いながらライブの計画を立てていた」「3月にサポートで見かけた演奏が忘れられない」。こうした声の共通点は「まだ始まったばかりだったのに」という悔しさだ。バンド名の「終末のダイヤモンド」が、どんな困難な世の中でも輝き続ける存在でありたい、という意味を込めていただけに、皮肉を感じずにはいられない。

似た事例を思い出す。数年前、道場で組手の最中に後輩が突然膝を崩したことがあった。ガードが完全に開いていて、私が止め技を入れる直前だった。後日「実は前日から体調がおかしかった」と告白された。本人は「大丈夫」と言い続けていた。あのときの後輩の目つきと、MEIさんの25日の投稿の「譲り合って撮影して」という一文が、なぜか重なって見えた。プロとして、ファンとして、仲間として、最後まで責任を果たそうとしていた姿勢が、そこにあったんじゃないか。

業界の人間関係の機微で言えば、新バンドのスタートダッシュで最も負担がかかるのはギターだと思う。ボーカルの勢いを支え、もう一人のギターと音を合わせ、サポートベースとのバランスを取る。結成直後の3週間で、どれだけの調整があっただろう。元薬剤師という経歴も、意外と音楽活動のメンタル管理に生きていたのかもしれない。数字と向き合う仕事から、感情を音に乗せる仕事へ。その切り替えの瞬間に、何かが限界を超えてしまったのかどうかは、誰にもわからない。

ギタリスト猫月めいが死去、声優・鈴木杏奈のバンド終末の ...

私自身、空手の試合で「次で決める」と気負いすぎて、大事な一本を逃した経験がある。相手の呼吸を読みすぎて、自分のタイミングを失った。あのときの悔しさは、今でも体に残っている。MEIさんがもし「29日のライブで最高の音を出す」と気負っていたとしたら……。そんな想像をしてしまう自分を、少しだけ戒めたい。亡くなった人の想いを勝手に決めつけるのは、失礼だから。

ただ、一つだけ確かなことがある。彼女が最後までギターを握っていたことだ。生誕ライブのチケットが売れていたこと、撮影ルールまで細かく決めていたこと。それは「まだまだやる」という意思の表れだったはずだ。世界が終わっても輝き続けるダイヤモンド――バンド名が、彼女のギターサウンドそのものだったのかもしれない。

読者の皆さんに聞きたい。突然の別れを経験したとき、あなたは何を「最後の仕草」として覚えていますか? 私は道場の後輩のあの日の目つきを、今でも忘れられない。MEIさんの25日の投稿を、きっと多くの人が同じように胸に刻むだろう。

ご冥福を心よりお祈りします。そして、残されたメンバーとファンの皆さんが、ゆっくりと前を向けることを願っています。